上腕骨近位端骨折に対するリバース型人工肩関節全置換術(RSA)について

高齢者で骨脆弱性を伴うNeer分類3part、4partの骨折は従来の骨接合術や人工骨頭置換術では骨片の転位や結節の癒合不全が

生じやすく、機能回復が不十分でした。2014年にリバース型人工肩関節全置換術の導入以降、骨脆弱性を伴う3part、4part骨折に対して適応されるようになった。

①RSAの適応

上腕骨近位端骨折に対するRSAは65歳以上の高齢者で、Neer分類の3part骨折、4part骨折や脱臼骨折の症例である。

特に結節の粉砕や骨粗鬆症によって正確な整復が困難か、整復できても骨癒合が期待できず、腱板機能の再建が困難な症例、修復できない腱板広範囲断裂を合併する症例は良い適応である。

加えて、解剖けい骨折、骨頭内側骨片の長さが8mm以下、骨頭内側骨片と骨幹部内側が2mm以上転位し、連続性が消失していることを骨頭壊死が生じやすい因子と報告もされている。

②適応を慎重に、または適応外の症例

骨癒合が期待できる転位1cm以内、変形45°以内の骨折や、安定型2part骨折は65歳以上でも適応しない。

骨折や脱臼に伴う腋窩神経麻痺、三角筋機能不全の症例は適応を慎重に検討すべきである。

③手術手技 アプローチ

RSAのアプローチには、deltoid splitアプローチとdeltopactoral アプローチがある。

deltopectoralアプローチは肩関節周囲の手術で一般的に用いられ、広範囲の視野を確保できる利点がある。特に骨折部周囲へのアクセスが容易で脱臼した骨頭骨片の摘出や上腕骨骨幹部への処置が必要な場合に皮切を拡大しやすい。

一方、大結節後方の視野が得にくく、棘下筋や小円筋の処理を行いにくい欠点がある。

deltoid splitアプローチは皮膚切開が小さく、結節骨片の処理や整復がしやすい利点があるが、脱臼した骨頭骨片の摘出が難しい。

後療法:

術後は4週間スリング固定

術後2週から他動運動を開始。術後4週から自動運動を開始。

固定期間中は手指、肘関節、肩甲帯などの運動を行い、拘縮を予防する。

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