手術のリスクとして、創部感染、創部癒合不全、腓腹神経損傷があり、再断裂のリスクだけでなく、スポーツ活動の有無など総合的に判断する必要があります。
高齢者では骨脆弱性に起因する踵骨付着部剥離骨折の除外が必要。Kagers triangleの不整がある。
術前に健側の足関節の底屈角を膝屈曲90°で測定しておくのが大事。
・皮切
アキレス腱断裂部の遠位内側に4-5cmの縦皮切をおく。
横皮切の方が展開は困難だが、感染率が低いです。断裂部からやや近位に約3cmの皮切をおくことがおおい。
表皮をメスで切開し、皮下脂肪層を展開すると、下腿筋膜が出現する。
下腿筋膜を切開し、アキレス腱周囲を覆うパラテノンを確認する。アキレス腱内側に足底筋腱を確認する。
パラテノン
アキレス腱表層にある薄い膜で、アキレス腱を覆っている。アキレス腱との間に組織液をためることで、アキレス腱滑走時の摩擦軽減を行っている。
神経剥離子をアキレス腱とパラテノンの間に挿入する。
パラテノンはアキレス腱縫合後に縫合することで血流改善の効果がある。
腱縫合の際は腱内血流を上げるために腱の背側半分程度にする。