オスグッド病(圧痛、ストレッチ痛、抵抗痛、筋出力の確認!)
正式名称をオスグッド・シュラッター病といいます。
オスグッド病は思春期の急激な成長の最中に生じる疾患で、12-14歳の男児と10-13歳の女児によく見られます。
女児の方が成長期に早く入るため年齢差が生じます。
成長期で急激に身長が伸びる最中に膝蓋腱の脛骨上部の付着部に負荷がかかる動作をくりかえされることが原因になります。
身長の伸び具合(最終身長に到達しているか)の確認と、エコーで脛骨粗面の成熟度の確認が重要です。
ストレッチ痛の確認の際はうつ伏せで行います。大腿四頭筋は2関節筋であるため、仰臥位では股関節の屈曲で代償されてしまうためです。
うつ伏せで踵が臀部につけるか(踵臀距離 HBD)を確認します。
膝屈曲位90°と膝伸展位での伸展抵抗をかけての疼痛を確認します。
抵抗痛はあるけど筋出力の低下がない場合はプレーの制限を軽くするのみにします。
超音波での脛骨粗面の成熟度を確認します。
二次性骨化中心が出現したapophyseal stageの脛骨粗面は力学的に脆弱とされます。
Saillyによる4段階の分類が有名で、stage1,2を未成熟、stage3,4を成熟の2段階に分けます。
脛骨粗面が未成熟、身長がある程度伸びきっており、筋出力の低下がなければ通常にプレー可、筋出力低下あれば、プレー制限が必要です。
脛骨粗面が未成熟、最終身長に到達していなくても抵抗痛がなければプレー可です。
またMRIではSTIR像あるいはT2強調像で骨端部の剥離や膝蓋腱の肥厚、周囲の滑液包炎などの所見の評価も重要です。