末梢神経ブロックと局所麻酔薬について

末梢神経ブロック

末梢神経ブロックは整形外科医にとっては必須の主義ですね

脱臼や骨折の整復の際に使用することが多いです。整形単科病院では、全身麻酔ではなく末梢神経ブロックで手術する施設もあります。

自分は橈骨遠位端骨折患者が忙しい外来中にきた際には血腫麻酔をして、最低限の整復をして、手術をすることが多かったですが、最近は末梢神経ブロックを行う機会を増やしたく腕神経叢ブロックをしています。血腫麻酔より疼痛が少ないのが、患者さんにとっても良いと思います。

今回は末梢神経ブロックの中でも腕神経叢ブロックの手技と使用する局所麻酔薬についてまとめたいと思います。

肩を90°屈曲させ、穿刺者は患者の頭側に位置します。

プローブを脇にあてて、まずは上腕動静脈を同定します。上腕動脈の外側に正中神経、背側に橈骨神経、内側に尺骨神経

烏口腕筋内に筋皮神経があります。筋皮神経のブロックはターニケットペインを防ぐときにすることが多いです。

平行法で烏口腕筋を貫き外側よりアプローチする。正中神経自体のブロックは周囲に構造物がないからブロックは比較的容易ですが、最初に正中神経をブロックしてしまうと、ほかの神経が外においやられて、ブロックが困難になります。

なので、尺骨神経や橈骨神経をブロックします。

尺骨神経 or 橈骨神経→正中神経の順番ですね。

また正中神経や尺骨神経は神経そのものを包む薄いsheathがあるので、sheathと神経周膜の間に局所麻酔を注入します

・局所麻酔薬

次は神経ブロックの際に使用する局所麻酔薬の種類についてまとめます

局所麻酔薬としてはリドカイン(🄬キシロカイン)に代表される短時間作用型と、ブピバカイン(🄬マーカイン)、ロピバカイン(🄬アナペイン)、レボプピパカイン(🄬ポプスカイン)などの長時間作用型に大別されます。

リドカインが最も使用されますが、持続時間は比較的短いため、長時間の手術や術後鎮痛には不向きです。

プビバカインは心毒性症例が報告されるため、アナペインやポプスカインが開発されました。

アナペインは腕神経叢ブロック後、0.7時間で最高濃度に達し、4.5時間の半減期に対して、ポプスカインは11-16時間程度の半減期をもちます。

リドカインの場合、極量は3mg/kgとされており、体重50kgの患者に安全に使用できる量はリドカイン 15ml(150mg)になります。

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